花見一幸荘

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花見一幸荘の始まり

 二〇十九年六月
 龍と竹の二頭の秋田犬を連れて新見市千屋花見へ越してきた。
 二頭を育てるのに適した場所、それだけが条件である。

千屋花見
 牛と暮らす文化を持つ人々の生活が長く続いてきた土地。
 越してきた家の納谷には牛舎の跡がある。
 ここで生きた人の営みの跡がある。

 敷地のそばには樹齢七百年を越える朴の木。
背に花見山を眺め、北からは剣山の吹き下ろしを受けて
一年、また一年
生活を重ねる
十年後、二十年後、我々はここに在るだろうか?
犬たちとともに、笑っているのか?

一生を生きる長さの、半分より少ないかもしれない残りの時間を
あれから五年後の今に、やっと辿り着いた

、、というかんじ